感染症と旅行

2001.9 水疱瘡と診断されたお子さんを飛行機に乗せてハワイへ連れて行った・・・そんな風に読める日記を公開していた某サイト、育児系HPとしては王様(女王様?)ほどにも有名だったものだから、一部ネット上で大騒ぎ。問題のページと私のHPタイトルがよく似ていることで勇み足?した方から我が家も迷惑少々。
この件に関しては私まで直接メールを頂けますでしょうか。宜しくお願いします。
2001/10/03 by管理人

病気の子供を連れて旅行するかしないか、ご両親の判断と自己責任の範疇なので管理人としてはあまり口を挟みたくないのだけれど・・・・・感染力の強い病気で長距離飛行機に乗ることはどうだろう?子供にはよくある病気でも大人になって感染すると時として重症化し後遺症を残すこともある感染症(流行性耳下腺炎、水疱瘡など)。高熱を伴ったり仕事を1ヶ月も休まなければならなかったり、妊婦さんでは胎児に影響出ることありますし、若い女性の顔に一生消えないアザを残すことだってあります。
私自身、数年前までは「水疱瘡や流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)=子供の病気」という意識が強かったです。大人になって感染することは極々稀で普通の大人は感染しないだろうと。ところが!幼稚園の参観日で貰ってきてしまった・・・・おたふくかぜ。ある朝、目がさめると右耳が痛い。それからが大騒動。どこまで膨れるの?というくらいキンキンに右頬がはれました。痛くて痛くて冷凍室にあった保冷剤を頬に直にあてたほど。周りは「そんなことすると頬が凍傷になるよ」心配しきりですが、そんなの痛さの前には全く耳に入りません。凍傷が何よ!「今」痛いの!凍らせると痛さが減るの!幸い凍傷にはなりませんでしたが、女性が顔の凍傷をどうでも良いことと感じるほどの痛みを想像してみて。治るまでの間まるで「バイキン君」にでもなった気分で外出不可、子供とも接触は最低限、近寄ってくれるのは実家の両親と弟、主人だけ。痛む頬を押さえて痛さと高熱に耐えるしかなく、夜も十分には眠れない日々。治りかけの頃は気分転換に1人真夜中ドライブしてました。情けなかったです。
流行性耳下腺炎は残念ながら対症療法しかありませが、水疱瘡は良いお薬が作られて感染初期に用いると症状が比較的軽く済ませられるようです。その他、有名所(苦笑)の感染症をネットで検索してみました。どの病気なら旅行可でどの病気なら旅行不可か、それをここで軽々に論じることはできません。私には医学の知識がありませんし、症状の軽重は個人差があります。
だから、旅行間際にお子さんや同行者が感染症にかかった場合(あるいはその疑いがある場合)は必ず医師に相談して下さい。旅行の日程を正直に告げて出発の許可を貰いましょう。素人考えで出発を決行すると自分の知らないところで他人に病気をうつしているかもしれません。とりわけ長距離飛行機という密閉された空間ではパイロットや客室乗務員にだって感染の危険が及びます。ホノルル線には妊婦さんや赤ちゃんだって乗っています。医師から旅行にストップがかかった場合は勇気を持ってキャンセルして下さい。ハワイは逃げません。

病気になった、旅行はどうしよう・・・どの病気ならOKでどの病気ならダメなのか、どこまで治れば出発できるのか、何か指針なり目安なりがないものだろうか。ネットで様々検索してみました。以下の情報はあくまでも個人の責任において参考程度に利用なさって下さい。私の価値観でお役に立ちそうなものだけをピックアップしています。ご自分で検索される場合はGoogle(http://www.google.com/intl/ja/)が便利です。
学校伝染病(学校保健法施行規則)
学校という集団の中で感染が広まらないことを目的に出席停止措置が取られる感染症です。感染者が飛行機に乗るということは感染者が学校へ行くということと流行の危険性という意味で共通点がある?
<学校において予防すべき伝染病の種別>
第1種: 「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」(平成10年法律第114号)第6条に規定する一類感染症及び二類感染症 = コレラ、細菌性赤痢、腸チフス、パラチフス、ジフテリア、ペスト、エボラ出血熱、クリミア・コンゴ出血熱、マールブルグ病、ラッサ熱、急性灰白髄炎
第2種: 飛沫感染するもので、児童生徒などの罹患が多く、学校において流行を広げる可能性が高い伝染病 = インフルエンザ、百日咳、麻疹、流行性耳下腺炎、風疹、水痘、咽頭結膜熱、結核
第3種: 学校教育活動を通じ、学校において流行を広げる可能性がある伝染病 = 流行性角結膜炎、急性出血性結膜炎、腸管出血性大腸菌感染症、その他の伝染病
<出席停止の期間の基準>
第1種: 治癒するまで
第2種: 伝染病ごとに定めた出席停止の期間の基準のとおり。ただし、病状により学校医その他の医師において伝染のおそれがないと認めたときはこの限りではない
インフルエンザ=解熱した後2日を経過するまで
百日咳=特有の咳が消失するまで
麻疹=解熱した後3日を経過するまで
流行性耳下腺炎=耳下腺の腫脹が消失するまで
風疹=発疹が消失するまで
水痘=すべての発疹が痂皮化するまで
咽頭結膜熱=主要症状が消退した後2日を経過するまで
第3種: 病状により学校医その他の医師において伝染のおそれがないと認めるまで
結核及び第三種の伝染病にかかった者=病状により学校医その他の医師において伝染のおそれがないと認めるまで
以上、http://www.nms.co.jp/gakkou/densen02.html より抜粋
第3種「その他の伝染病」については
手足口病:出席停止必要なし(ただし主治医の判断優先)
伝染性紅斑:出席停止必要なし
流行性嘔吐下痢症、ヘルパンギーナ、溶連菌感染症、マイコプラズマ肺炎、伝染性膿痂疹、伝染性軟属腫、疥癬、EBウイルス感染症:いずれも「出席停止」ではなく「病気による欠席」として扱う
http://www.takedakodomo.com/mhp0009.html より抜粋
症状や治療の仕方について私が見つけたHP
「麻疹・風疹・水痘〜学校伝染病の小知識」
     http://www.ihealth.co.jp/health/drmunakata_06.html
「小児科のお部屋」
     http://www05.u-page.so-net.ne.jp/cf6/ifu/sick/child.html
航空会社の対応
JAL:「快適な空の旅のために・・健康関連情報」
    他人に伝染させる恐れのある感染症の場合は、
    事前に、日本航空プライオリティ・ゲストセンターまでご相談ください。
    (詳細は→ http://www.jal.co.jp/safety/fly/health.html)
他航空会社はHPを検索しましたが感染症の項目見つけられず。
(見つけた方は是非!ご連絡下さいませ)

日系3社の「国際運送約款」を読んでみましたが、3社ともほぼ同じ記述
JAL=http://www.jal.co.jp/carriage/
ANA=http://svc.ana.co.jp/int_rsv/yakkan_int/yakkan_j_top.html
JAS=http://www.jas.co.jp/inter/yakkan/index.htm
いずれも「第9条 (運送の拒否及び制限)」の項目となっています。
ただ「感染症」の文字は1個も無いんですよ・・・・
日系某航空会社の感染症対応
『感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律疾病分類表』において一類感染症(ペスト、エボラ出血熱、クリミア・コンゴ出血熱、マールブルグ病、ラッサ熱)もしくは二類感染症(腸チフス、パラチフス、ジフテリア、コレラ、細菌性赤痢、急性灰白髄炎)、及び三類感染症(腸管出血性大腸菌感染症)に罹患している者は搭乗拒否該当者です。
しかし、四類感染症については現場判断にゆだねられるようです(四類感染症は総数60。ここに風疹、水疱瘡、麻疹、流行性耳下腺炎、インフルエンザ等含まれます。
詳細は http://www.pref.chiba.jp/outline/statistics/kansen/kansen-bunrui9904-j.html )

「情緒的、精神的、身体的状態」から搭乗が適切でないと明確に判断できる場合は「直ちに」搭乗を拒否されますが、上記四類感染症を「疑わせる」乗客がやってきたとき、航空会社はどんな対応を取っているのか
機内で迷惑行為(酒酔い、挙動不審、感染症のばら撒き等)を行う可能性が見て取れる場合、搭乗可否チェックは既に搭乗手続き時から始まっています。
@チェックインカウンターにおいて、不審な様子が感じられる乗客は出発前の乗務員達に知らされます
A当該航空会社の空港責任者に報告が行われ、搭乗の可否が判断されます。
B搭乗拒否の場合は直ちに手続きが取られ、この乗客は当該便に乗れません。
C空港責任者により搭乗可と判断された場合、機長及び客室乗務員に「このような乗客がいます」という報告が行われ、客室乗務員が当該乗客を「監視」します。これが最終的な搭乗可否判断場面。
D機長及び客室乗務員が機内での様子から搭乗拒否が必要と判断した場合は、直ちにB同様の手続きが取られ、当該乗客は機内から降ろされます。
E機内段階において判断が困難な場合、例えばいかにも具合が悪そうなのに本人が「大丈夫、薬を持っている、感染症ではない」などと主張する場合は、空港に常勤する医師を呼ぶこともあります。医師による旅行OKの診断と本人の「航空会社の責任を問いません。自己責任です」云々の自筆サイン入り書類を取り交わします。もちろん、この時点で医師が「旅行不可」を診断すると当該乗客は機内から降ろされます。
Fここまでの確認をしてようやく飛行機のドアが閉じられます。
米系某航空会社の感染症対応
発症から6日以内のみずぼうそう、はしか、流行性耳下腺炎、コレラにかかっている、もしくはコレラの疑いがある場合、天然痘、ペスト、黄熱病、流行性結核、ジフテリア、ウイルス性の熱病(ラッサ熱、エボラ出血熱など)、脳膜炎・髄膜炎、百日ぜきにかかっている者は搭乗不可
これら病気以外でもフライト中、特別な医療行為を行わないと安全に旅行出来ないと思われる場合、また他乗客の安全に支障をきたすと思われる場合には、機長判断により搭乗を断る場合がある。
ツアーパンフ
解除権の項目に「お客様が病気その他の事由により、旅行に耐えられないと認められるとき」の記載はありますが、より具体的に感染症の場合どうするのかという記述はありません。この点も、より詳しいことをご存知の方がもしいらっしゃいましたらご連絡下さい。よろしくお願いします。

ちなみに・・・・・
国土交通省 「危険な伝染病以外については、各運送機関に一任」
JTB=規定はないが、学校とかで出席停止にしているものは、医師に相談して欲しいとのこと
I-94W
米国入国時に提出する「I-94W」の書類に「伝染病にかかっていますか?」の項目があります。伝染病(例えば水疱瘡など)にかかっているにもかかわらずここに「いいえ」と答えると、米国法上の問題(偽証罪)となります。書類の最後には「私の回答は私の知る限りすべて真実であり正しいものであります」+署名欄+日付入り。これで公的書類としての要件を充たしているので最悪裁判になると立派な証拠書類1通。米国法では日本式の甘え・情実は通じません。法律違反は法にのっとって厳しく処罰されます。
伝染病云々の質問に「はい」と答えると・・・米国入管ではねられるでしょう。はねられたら強制送還?隔離措置?強制送還になると次回米国入国が非常に困難となります。いずれにしてもウソはいけませんね。

この件をリサーチするなかで「麻疹」に関して知ったページがあります。
「アラスカ・アンカレッジでの麻疹流行、1998年−米国」
http://idsc.nih.go.jp/iasr/20/228/fr2282.html
日本から来た4歳の子どもがアンカレッジ滞在中に麻疹を発症、それを発端にアンカレッジで麻疹が流行したそうです。詳しく調べると当時日本で流行っていた麻疹野外株とほぼ一致し、アラスカでの直近の流行株とは無関係だったとのこと。
ハワイで同様のことが起こらないとは限りません。どうか感染症で飛行機に乗ることは慎重にお願いします。機内の乗客や乗務員を危険にさらすだけでなく渡航先(ハワイ他)の住民の方々まで危険にさらすことになりますから。

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